
「今度こそ、新しい技術分野への投資を推し進め、数年後の柱にする」と心に決めていたはずなのに、四半期末の売上が予想より少し下回りそうになると、すぐにその新規プロジェクトの予算を削り、足元の既存案件用の広告費に回してしまう。経営者であれば誰しもこのような経験があるはずです。
これは、あなたの意思決定能力が低いからではありません。人間の脳が、生存本能として「目の前の小さな利益(またはリスク回避)」を「未来の巨大な利益」よりも本能的に過大評価するようにできているからです。これを脳科学・心理学では**『現在志向バイアス』**と呼びます。
このバイアスを「精神力」や「覚悟」だけで克服しようとすること自体が、最大の誤りです。必要なのは、意思決定の場に感情やその時の状況判断が入り込まない『絶対のシステム』を用意することです。
例えば、「もし(IF)売上が前年比20%落ち込んだとしても、未来へのR&D予算(THEN)は絶対に触らない。その代わりに、役員報酬、あるいはマーケティング戦術費の一部を一時的に調整する」といった形で、判断が必要になる前にルールを明文化しておく方法です。
また、自社の状況を最もよく知っているはずの自分自身が、一番バイアスに犯されやすいというパラドックスがあります。だからこそ、利害関係を持たない社外の客観的な第三者(それも、同等レベルの判断力を持つ経営者のピア集団)からの「あなたのそれは、単なる現在志向バイアスではないか?」というフィードバックが、絶対的な効果を発揮します。
UGROWTHでは、毎週経営者同士が集まる徹底的なプレッシャーのないピアレビューで、意思決定の「ブレ」を早期に発見・補正するプログラムを提供しています。